『よせやい。』吉本隆明著 9月発行予定
日本を代表する思想家吉本隆明の『よせやい。』を9月上旬に発行する予定です。
本書は、吉本さんと私を含めた5人のグループが約1年にわたって「雑談会」と称して話した内容を本にしたものです。“雑談”といっても、吉本さんには当てはまりますが、私たちインタビューグループには当てはまりません。当然ですが、真剣勝負でした。
話の内容は多岐にわたり、内容は本書を読んでいただいたほうがいいかと思いますが、これまでにないわかりやすさと、一般人の視座・視点・視野をつらぬいていたつもりです。ここではタイトルについてお話しします。
「よせやい。」なんていうと、軽くて大思想家には失礼な感じがするかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。吉本さんはよく、「どうしようもないな」とか「もう、いいかげんにしてくれ」と感じたときにこの言葉を発します。まさにこの言葉は、いまの日本に当てはまり、吉本さんとしてもあきれ果てている感じです。
ではどうすればいいのか。吉本さんはすぐさま言います。「明日から文科大臣になれといわれたら、すぐにでも引き受けられるような準備はしておくように」と。つまり、つねに自分自身のビジョンを持って進みなさいということでしょう。ウダウダ反対するのではなく、かならず提案をしなさいということです。
写真は、吉本邸に飾ってある掛け軸です。以前から上の句が読めなかったのですが、ようやくわかりました。「見ままの影がありけり箒草 虚子」です。虚子は箒草が好きなようで、何句かつくっています。句の意味は難しいのですが、きっと本物の箒草とその影の位置関係の面白さをあらわしているのでしょう。つまり、リアルとバーチャル、あるいは時間差です。
この句とは直接関係ありませんが、吉本さんには次のような発言があります。
「わたしたちはまえを向いて生きているんですが、幸福というのは、近い将来を見つめる視線にあるのではなく、どこか現在自分が生きていることをうしろから見ている視線のなかに、ふくまれるような気がするんです」(『アエラ』2005.1)
この言葉は、まさにこの句のことを述べたような気がして、妙なつながりを感じてしまいます。
よせやぃ。
本書は、吉本さんと私を含めた5人のグループが約1年にわたって「雑談会」と称して話した内容を本にしたものです。“雑談”といっても、吉本さんには当てはまりますが、私たちインタビューグループには当てはまりません。当然ですが、真剣勝負でした。
話の内容は多岐にわたり、内容は本書を読んでいただいたほうがいいかと思いますが、これまでにないわかりやすさと、一般人の視座・視点・視野をつらぬいていたつもりです。ここではタイトルについてお話しします。
「よせやい。」なんていうと、軽くて大思想家には失礼な感じがするかもしれませんが、けっしてそんなことはありません。吉本さんはよく、「どうしようもないな」とか「もう、いいかげんにしてくれ」と感じたときにこの言葉を発します。まさにこの言葉は、いまの日本に当てはまり、吉本さんとしてもあきれ果てている感じです。
ではどうすればいいのか。吉本さんはすぐさま言います。「明日から文科大臣になれといわれたら、すぐにでも引き受けられるような準備はしておくように」と。つまり、つねに自分自身のビジョンを持って進みなさいということでしょう。ウダウダ反対するのではなく、かならず提案をしなさいということです。
写真は、吉本邸に飾ってある掛け軸です。以前から上の句が読めなかったのですが、ようやくわかりました。「見ままの影がありけり箒草 虚子」です。虚子は箒草が好きなようで、何句かつくっています。句の意味は難しいのですが、きっと本物の箒草とその影の位置関係の面白さをあらわしているのでしょう。つまり、リアルとバーチャル、あるいは時間差です。
この句とは直接関係ありませんが、吉本さんには次のような発言があります。
「わたしたちはまえを向いて生きているんですが、幸福というのは、近い将来を見つめる視線にあるのではなく、どこか現在自分が生きていることをうしろから見ている視線のなかに、ふくまれるような気がするんです」(『アエラ』2005.1)
この言葉は、まさにこの句のことを述べたような気がして、妙なつながりを感じてしまいます。
この記事へのコメント
「よせやい。」っていうと、
吉本さんの対談やインタビューでよく出てくるので、
すぐに連想しました。面白いタイトルですね。
発刊、とても楽しみです。