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古代ローマに関連する場所と遺跡を視察してきました。訪れた場所は、北アフリカのカルタゴを皮切りに、シシリア島のカターニャ、メッシーナ、シラクサ、タオルミーナ、そして南東イタリアのブリンディシ、ターラントと本家のローマです。かなり欲張りな旅でしたが、案内と説明は、ポンペイ遺跡発掘の権威でナポリ大学のパッパラルド教授にお願いしたために、たいへんスムーズに、かつ普通では見れないところも紹介していただきました。 ローマの最終日には『ローマ人の物語』の作者である塩野七生さんにもお会いすることができ、いろいろと辛口の話を聞くことができました。塩野さんは70歳になられますが、まったく年齢を感じさせないエネルギーとオーラのようなものがあり、いまは中世イタリアに取り組んでおられます。 ヨーロッパの遺跡はすべて石造りですから、いまに残っているというのもありますが、すごいのは、その膨大な数と、それらをこれからも残そう、伝えようという強い意思です。壊して更地にしてしまったほうが簡単な気がする建物も、コンクリートを注入するなどして、あくまでも再生しています。 比べて日本では、少なくとも70年は持つといわれている木造だって30年ほどで解体してしまいます。ビルだって、壊してどんどん新しくしていきます。「新しいもの=すばらしい」という価値観が身についてしまっています。新規の消費促進=経済発展=幸福という、バカみたいに単純な図式ができあがっています。 こうして、古いものはどんどん失われ、しかしそれは同時に、自分たちのアイデンティティを放棄することでもあります。新しいものに乗れば乗るほど、自分たちの過去や社会の伝統やしがらみは清算されていきます。宮台真司風に言うと、日本では人間を含むすべてが入替え・交換可能なコピー的存在になり下がっているのです。 ということで、今回は古代ローマをとおしていまの日本を見る旅でもありました。 なお、塩野さんとのインタビューも含めて、6月ごろには本にする予定です。 みなとの偉人たち―時代への挑戦・海からの日本づくり
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